蓮のつらつら考える事。


by spiaggia_corrente
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明治学院大学での小林頼子先生の講演会

日本のフェルメール研究の第一人者といえば誰もが小林先生のお名前を第一に挙げるのではないでしょうか、先生の講演会が明治学院大学で行われるというので参加してまいりました。

まずは先生の第一印象は、明るくて親しみやすい感じの方でした。
早口とおっしゃっていましたが、じゅうぶん聴き取れる早さでした。

内容はまずイントロダクションとしてフェルメールはハーグの展覧会から注目され始めた事、それにはメディアのかかわりが大きな力を発揮したことを述べられていました。
たとえば、美術館は絵を貸さないというのが基本ポリシー、常設展だけでは美術館まで多くの人たちは足を運ばない、そこでメディアが相乗りしたイベント性を持たせれば人が来るということなど。

次に、フェルメールはどのような時代に生まれ生きたのか、オランダは世界史的にどんな時代であったか、またフェルメールはどんな人生をおくったのか、制作年が分かる作品を手掛かりにしてどういう順に作品が描かれて行ったのかと、どのような作風の変遷がみられたかをかいつまんでお話になりました。

フェルメールブームの要因としては
①海外旅行ブーム(遊戯性)何か目的を持った旅行がしたい、レンブラント全作品踏破は無理でもフェルメールならば可能。
②ブランド性(希少性)どうせ見るならば400点の中の一点より30数点のうちの一点。
③ビジュアル カメラオブスクーラというカメラの原点を使ってたのではという点。
④犯罪とのかかわり 贋作事件や真贋の難しさは必ずしも美術に関心なくてもこれらについては関心のある人が存在する。希少性からテロに使われたこともある。
⑤主題のわかりやすさと作品の質の高さ キリスト教知識を必要とするものはほとんどない。

いくらメディアが火をつけたブームだとしても作品が素晴らしくなければフェルメールが騒がれるわけはないということで、講演会の後半にはフェルメールの空間構成の素晴らしさ、細部まで及ぶ緻密な筆遣い、明暗の操作等小林先生の専門分野のお話を聞くことができました。

先生は何点か、これはフェルメール??と思っている作品があります。
そのうち一点は今回のフェルメール展にも出品されています、以前はフェルメールかな?怪しいと専門家達も科学的な解明によりフェルメールと認めたそうですが、それでも小林先生は来歴もさることながらこの作品はフェルメールの様式と相いれないものがあるとして認めてませんでした、ご自身の眼を信じるっていいなと思いました。
そしてフェルメールならばなんでもかんでも良いではなく、このフェルメール作品は良いけれどこれは。。とおっしゃるのも正直で。
とても充実した講演会でした明治学院文学部に感謝の気持ちでいっぱいです。

講演が終わって先生にサインしてくださいと本を持ってお願いにいくと、なんでもしちゃう、どこに書けばよいのかしらと、とても気さくに応じてくださいました。
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by spiaggia_corrente | 2008-11-16 10:35 | 絵画etc